保護地域における生態系保全のための鳥獣管理
国立公園等は優れた自然環境を有し生物多様性の保全上重要な地域である一方、生態系が脆弱で外的要因によるかく乱の影響を受けやすいという特徴があります。高山・亜高山帯へのニホンジカの分布拡大などにより国立公園等の生態系を脅かす問題が各地で生じています。このような問題に対し、保護地域等における生態系を維持・再生するための野生鳥獣の管理に取り組んでいます。
国立公園における自然再生(大台ヶ原自然再生)
ニホンジカ捕獲用のくくりワナ
設置風景
吉野熊野国立公園の大台ヶ原では、1960 年代以降、森林生態系が衰退しています。そのため、「大台ヶ原自然再生推進計画」及び「大台ヶ原ニホンジカ第二種特定鳥獣管理計画」に基づき、自然再生事業が実施されています。
当センターでは、ニホンジカ個体数調整業務を長期にわたり受託し、大台ヶ原のニホンジカの個体数を適正に管理するための捕獲に関わっています。さらに、動物相や種構成の回復状況を継続的にモニタリングすることで、大台ヶ原の自然再生推進に貢献しています。
(受託業務例)
- 大台ケ原ニホンジカ個体数調整手法開発調査(環境省)
- 大台ケ原自然再生調査(民間企業)
高山・亜高山帯におけるニホンジカ対策
(南アルプス国立公園ニホンジカ対策調査)
南アルプス国立公園における
ニホンジカ
近年のニホンジカによる高山・亜高山帯への影響は深刻化しており、高山植物を含め生態系へ与える影響は甚大なものとなっています。
当センターでは、南アルプス国立公園においてニホンジカの生息状況等に関する業務を受託し、各種モニタリング調査の実施や有識者会議からの指導のもとで試行的捕獲を実施し、「南アルプスニホンジカ対策方針」の策定に寄与しています。
(受託業務例)
- 南アルプス国立公園ニホンジカ捕獲手法検討業務(環境省)